-Sugar High-【紅一点:YG】 (ページ44)

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愛の白昼夢‥‥【NM】ページ44

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きたるべき9月12日はウリリーダー、ナムジュニの誕生日である。毎年『今年は何が欲しい？』と聞いて当日にプレゼントする、という飾らないスタイルが恒例の私たち。今年は「一緒にサイクリング行きたい。」という何とも素敵なお誘いを頂いた。

「ヌナ、準備出来た？」

『うん、日焼け止めもばっちり。後はアームカバー‥マスクに、UVカットの帽子。』

「どっからどう見ても不審者だけど、その格好。俺今からこの人と自転車乗るのか‥」

『紫外線は年中あるの。ナムも塗ってあげる。』

「俺はいい。」というナムジュンだけど、私がお構いなしに日焼け止めを出すと嫌々ながらもちゃんとしゃがんでくれる姿がとても可愛い。そんな彼に笑いながら、大人しく差し出された逞しい腕に大きな手、太くてがっしりした首まできちんと塗ってあげた。

『わ！ナム凄い！首にぶら下がってるよ、私。痛くないの？』

「そりゃ痛くないことはないけど。‥それよりヌナって本当俺より年上なのか時々心配になる。」

いつもならここで『たった一歳差でしょ！』と言い返すところだけど、今日は彼の誕生日なので許してあげることにした。

・・・

「じゃあ取り敢えず俺について来てね。」

どこに行くの？と聞いても、ナムジュンは俺についてきて、の一点張りで私の前を颯爽と走っている。広くて温かくて安心するナムの背中、風のせいでシャツが膨らんで更に大きく見える。いつも私たちを先導してくれるナムジュン、これまで一体どれ程までの痛みに耐えて、どんなに不安定な価値を支えてきたのだろう。

『ナムジュナ！心配しなくても私はずーっとナムについていくからね！』

気持ちを抑えきれなくなった私は脇目も振らず、その背中に向けてありったけの愛を叫んだ。

「ヌナ声でかい！それに心配するのは俺の方だよ、ヌナ方向音痴だから。」

そう叫び返す私より大きな声も、キャップから覗く赤く染まった耳も、照れ隠しの減らず口も、何もかも全部愛おしい。

着いたよ、と自転車から降りたところは海を一望できる場所。あと少しすると空と海の境界に浮かぶ夕陽が見れる特等席らしい。

『綺麗だね‥こういうの久しぶり。』

「ヌナが喜んでくれてよかった。」

『何か私がプレゼント貰った気分‥ありがとう。ナムジュナ、改めてお誕生日おめでと。』

握り締めた二人の手のひらが汗ばむ熱を上げていく。ナムジュンは「こっちこそありがとう。」と私の大好きなえくぼを見せて笑った。

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NM HPD！