‥‥ ページ47
-
YG side
目覚めると腕の中にAはいなかった。いつも低い体温を分け合って寝ているので、Aのぬくもりがない朝には未だ慣れない。何より彼女がいるのといないのとでは目覚めの爽快さが違う。
Aがいないことにだんだんと苛立ちすら覚えてきて、眠気は感じるが寝直すことも出来ず、渋々ながらも寝起きの気だるい体を叩き起こした。
そういえば昨日、マネヒョンの子供がくるってAが珍しくはしゃいでたな‥その姿は控えめに言っても天使だった。もう来てるんだろうか。最低限の身嗜みを整えてリビングに入るとクサズとジンヒョンが頭を寄せ合い何かに没頭していた。俺も人のこと言えないけど、寝癖もそのままで完全オフモードだ。
NM「ヒョンおはよう。最後なの珍しいね、もう皆起きてるよ」
「はよ。逆に休みなのに何でこんなはえーの」
HS「またAヌナの部屋で寝たでしょ」
「ほっとけ。‥Aは？」
JN「お前は寝ても覚めてもAばっかだな。あっち、見てみ」
ジンヒョンが指差す向こうにはダイニングに繋がるアーチ壁がある。素直にそこを覗けば、大きなテーブルでホットケーキを量産するAがいた。クオズとジョングク、マネヒョンの子供に囲まれてにこにこ微笑んでいるその姿はまるで‥
「‥聖母がいる」
JN「分かる、分かるぞユンギ。今日のAはなんかこう‥グッとくるものがあるよな。てか僕もう疲れた、辞めたい‥」
「さっきから思ってたけど何してんの」
HS「シウがさLEGO持って来てて、城だけ作るの手伝って欲しいんだって」
「そういうの全部自分で作んのが醍醐味なんじゃないの？」
NM「まあ部品細かいしね、シウはまだ危ないかも‥また首取れた、もう生首でいい？」
JN「トラウマ植え付ける気？どこに生首のドクタースト◯ンジで喜ぶ子供がいるんだよ」
ホソクに「ヒョンもやる？」と聞かれたが丁重にお断りする。するとちょうど『皆そろそろ切り上げてね、朝ごはんだよ』とAの声が響いたので、俺の意識は完全にそっちに向いた。
単純なことにAの声を聞くだけで寝起きの苛立ちは消え、軽い足取りでアーチをくぐる。そして振り返る寸前の、自分よりも一回りほど小さいAの体を抱き締めた。
『わ、ユンギ、おはよう。やっと起きたの？』
驚きながらも頬を赤く染め上げ、目じりを垂らしうっとりとした表情を寄こす。自惚れかもしれないけど、俺が近くにいる時に一番幸せそうな顔するんだよな。
→
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1681人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mitsu | 作成日時：2021年9月26日 14時
